鏡の前で眉間に指を当ててみると、三本の溝がはっきり刻まれていて驚いた、という経験はありませんか。眉間のシワは表情の変化が少ない場所なのに老けて見えやすく、コンシーラーでも隠しづらいと悩む人が很多い部位です。そこでよく比較されるのが、ヒアルロン酸注射とボトックス注射のどちらを選べばよいのかという点です。それぞれ仕組みがまったく異なるため、自分のシワの状態に合わせた選び方を知っておくと安心です。
まず眉間のシワができる仕組みを確認しましょう。眉を寄せる、書類を見るときに眉間に力が入る、歯の食いしばりなどの日常の癖で表情筋が何度も収縮し、そのたびに皮膚が折り曲げられて溝が刻まれていきます。若いうちは表情を戻せば溝は消えますが、加齢でコラーゲンやエラスチンが減り皮膚の弾力が失われると、表情を作っていないときも筋が残るようになります。溝が深くなるほど改善しにくくなるため、浅いうちに対処するのがポイントです。
また、眉間や額のシワは原因が皮膚ではなく「まぶた」にあることもあります。まぶたが開けにくい眼瞼下垂の傾向があると、目を見開こうとして無意識に眉や額に力が入り、シワが寄りやすくなるのです。眉を挙げないと目が開けにくい、おでこのシワが顔の他の部分より目立つ、額にボトックスを打ったらまぶたが開けにくくなった、といった項目に心当たりがあれば注意が必要です。セルフチェックは、顔を正面に向けて目を軽く閉じ、眉の上を指で押さえたまま目を開いてみます。開けにくい、額に力が入ってしまうと感じたら、眼瞼下垂の可能性を専門医に相談してみるとよいでしょう。
ヒアルロン酸注射は、シワの溝に注入して凹みを内側からふくらませ、いわば「埋める」治療です。筋肉の動き自体は止めないため表情は自然に動き続けますが、深く刻まれた溝でも内側からボリューム補填できるので目立ちにくくなります。できてしまった後天的な溝へのアプローチとして選ばれやすい方法です。ただし注入の深さや量が適切でないと硬く見えたり、まれに血管を押さえてしまうなどのリスクもあるため、眉間は解剖学に詳しい医師への施術が大切です。
一方ボトックス注射は、表情筋の収縮力を一時的に弱め、シワができる力そのものを抑える治療です。でき始めの浅いシワなら、筋肉の動きが減ることでシワが目立たなくなります。効果は数か月で徐々に薄れるため、継続が前提となります。注意点として、眉間や額への注射の影響でまぶたが重く、開けにくく感じる可能性があります。もともと眼瞼下垂の傾向がある人は症状が強く出ることもあるので、施術前にまぶたの状態を必ず確認してもらいましょう。
では、どちらを選べばよいのでしょうか。目安はシワの深さと原因です。表情を作っていないときも残る深い溝には溝を埋めるヒアルロン酸が向き、表情筋の動きによってでき始めた浅いシワにはボトックスが適しています。状態によっては両方の併用も選択肢で、立花クリニックの説明でも、眼瞼下垂の手術をしてもできてしまったシワは解消しないため、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、スーパーコラーゲン注射などをあわせて行う考え方が紹介されています。
施術を検討するときは、まずカウンセリングでシワのタイプとまぶたの開きにくさの両方を確認してもらうのがおすすめです。シワだけを見て注射を重ねても、眉を上げる癖が続く限り溝はまた刻まれてしまいます。眉間の見た目を整えながら、眼瞼下垂など根本原因が疑われる場合は専門医に相談してから進めれば、より自然で長持ちする仕上がりに近づけるはずです。